「リベラル」と「福音派」のそれぞれの特徴
ということで、日本のプロテスタント教会においては福音派とリベラルという二つのメジャーな対立勢力が存在する。日本のプロテスタント教会は、大雑把に言って福音派とリベラルとの二極構造になっていると言っても特に問題はないだろう。
信仰告白についても、両者の信仰告白はいずれも相応にそれぞれの神学や教義を反映している。以下にリベラルの最大教派である日本基督教団の信仰告白と、福音派の最大教派である日本同盟基督教団の信仰告白をそれぞれリンクしておくので、興味のある方はぜひ読み比べていただきたい。
日本基督教団 信仰告白
日本同盟基督教団 信仰告白
ぱっと見た感じでは両者それぞれ似ているように見えるが、細かい部分が微妙に違っていることに気づかれるであろう。そして、その細かい部分こそ、両者の神学的な対抗軸を構成する重要な要素なのである。
ということで、信仰告白についてと称したこのコラムも6回まで続いてしまった。最後に、キリスト教に興味があり、これから教会へ行ってみようと考えている人のために、福音派とリベラルのそれぞれの教会の雰囲気をお伝えしておこう。
(福音派の教会)
聖書信仰に篤く、牧師を筆頭に教会員がよく聖書を学んでいる。生活の規範も聖書に置く傾向にあり、仏式葬儀出席、焼香、寺院拝礼、日の丸拝礼や君が代斉唱を拒否するケースが多い。教会生活は、良くも悪くもディープな付き合いで、共同体として非常にまとまっている。濃厚な人間関係を望むディープなクリスチャンを目指すのであればおすすめ。ただし、什一献金や礼拝出席が強要される可能性が高い。
(リベラルな教会)
福音派の教会と比べると非常にオープンな雰囲気。教会員数も比較的多い教会が多い。俗に言う昔(特に戦前)からある教会のほとんどがこうした教会。幼稚園を併設しているところも多く、地元に開かれた感がある。福音派の教会と比べると人間関係は比較的あっさりしている。また仏式葬儀出席、焼香、寺院拝礼、日の丸拝礼や君が代斉唱を必ずしも否定せず、什一献金や礼拝出席が強要されることもまずない。
*(なお、以上はあくまでも目安であるので、個別の教会の特徴や教義、信仰告白については、実際に教会を訪問されて牧師に直接確認されることをおすすめする)
端的に言うと、聖書を絶対とする原理主義的クリスチャンになりたいのであれば福音派、そうではなくてある程度自由度を保った文字通りリベラルなクリスチャンになりたいのであればリベラル、という事になるであろう。いずれにせよ、どちらにもそれぞれ良い点と悪い点があり、どちらがベターであるとは一概には言えない。
長くなったのでそろそろこの辺でこのテーマは終わりにしたいと思う。最後に、私は思うところあって今から12年ほど前に福音派の教会からリベラルの教会へ転会したということはお伝えしておこう。
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